◆最近図書館や資料館で古い雑誌や資料を閲覧する機会が多いのだが、どうも逆に中々新鮮で、元々の目的を離れて記事や広告に目が止まってしまう事が多い。頭痛薬の「ノーシン」って戦前からあったんだなあ、とか、精力剤だの、「強力治淋新薬」だの、ソッチ系の広告多過ぎるなあ、とか。
◆そんな中、戦前の総合雑誌「改造」1931年6月号の「新刊紹介」なるコーナーに掲載の、次のような書籍。
「人類滅亡と次の高等動物」村上計二郎著
“人類は暫時に滅亡して滅亡し次の高等動物はカンガール族より出ずるだろうと説く研究(東京日本橋東京駅東口角・萬里閣・値一円八十銭)”
なんだこりゃ 。「カンガール族」・・・カンガルー??
・・・有袋類が人類に代わる知性として登場するという発想は、どうも尋常ではなく思える。ちょっと手塚治虫っぽいとも思う。「来るべき世界」や「鳥人大系」っぽいノリだ。読んでみたら全然違うんだろうとは思うが。
敢えて探そうと迄とは思わないが、そのうちどこかで出くわしたら読んでみたい。
敢えて探そうと迄とは思わないが、そのうちどこかで出くわしたら読んでみたい。
◆なお、著者の村上計二郎は如何なる人物だったのかは不明。
しかし、国立国会図書館サーチなどのネット検索によれば、「幽霊の実在と冥土通信」(1927年・日本書院出版部)「店員読本」(1930年・第一出版社)「非常時対応 転業と転職」(1938年・実業之日本社)等々、オカルト系から実用書まで、数冊の著作があるようだ。
大衆向けに手広く手掛けるタイプの作家かライターだったのだろうか。
(馬場鍬太郎との共著で「南支五省の現勢」(1939年・三省堂)なる本まである。なお馬場は東亜同文書院教授を務めた人物。さすがにこれは同姓同名の別人だろうか?。うーむ。)
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